ハンフリー視野計のパターン偏差とPSDについて【視能訓練士 初級】

こんにちは、ひらちゃんPhDです。

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ハンフリー視野計は皆さん良く使いますよね?

日本でのシェアは7割と言われているくらいですから。

ハンフリーの結果をぱっと見ると、数値や指標が多く、これらが一体何を表しているのか?

と疑問に思うことがあると思います。

教科書にはあまり細かく書いていないので、なんとなくで覚えている方も多いと思います。

きっとそういった方は、

・何でトータル偏差では真っ白なのにパターン偏差で確率シンボルマークがつくの?

・何でだいぶ視野異常が進行しているのにパターン偏差に確率シンボルマークがつかないの?

というような疑問を持ったことがあると思います。

そこで、今回の記事では、数ある指標の中からパターン偏差(Patter Standard Deviation: PSD)の計算方法についてまとめました。

この記事で習得できること

・上記の2つの質問が解決する

・知らなくても良いレベルまでPSDが詳しくなる

パターン偏差の計算過程を言葉で表現すると難しくなるので、図説メインでお伝えします。

今回の参考図書は毎度おなじみのこちらです。

この本は、原本を和訳したものになります。

和訳された本は、途中端折っている部分もありますが、今のところハンフリーのすべてを学びたかったらこの本が一番おススメです。

中古品であれば原本より 90%OFF で買うことができます。

大学院の時に何度も読み返して勉強した記憶があります。

パターン偏差とPSD

 

パターン偏差ってなんであるか分かりますか?

静的自動視野計は、緑内障の視野異常を計測する目的で作られました。

緑内障の視野異常は、局所的に生じることが特徴です

この局所的な視野異常の状態を「見た目と数値」で表したいという目的で考えられた指標です。

見た目で表したのがパターン偏差、数値で表したのがPSDです。

パターン偏差の計算方法

パターン偏差は、各測定点において年代別正常値からの偏差量を示すトータル偏差の値を基に計算されます。

ただ平均して計算するのではなくポイントは以下の2つ

パターン偏差・PSDのポイント

① 白内障などによる全体的な感度低下を補正

② 年代別正常値よりも全体的に高い場合は感度上昇を補正

皆さん①の全体的な感度低下の補正はご存知だと思いますが、②の感度上昇の補正は知らない人も多いかと思います。

②の補正は、まさに最初に投げかけた「何でトータル偏差では真っ白なのにパターン偏差で確率シンボルマークがつくの?」に繋がります。

補正のイメージだとこんな感じになります。

上段は皆さんも見慣れていると思います。

全体的に感度が落ちて、トータル偏差だと真っ黒だけど、パターン偏差で感度低下が明確になる場合。

下段は時々見るパターンです。

局所的な視野異常があるけど、元々感度が良いのでトータル偏差が真っ白で、パターン偏差で異常が明確になる場合です。

では、何を基準に全体的な感度低下と感度上昇を差し引いているのでしょうか?

パターン偏差の算出方法

トータル偏差の各測定点のうち、7番目(85パーセンタイル)に感度の良い測定点を基準にする

もう少し細かく言うと、30-2で計測された場合、24-2の測定点で統一して計算されます

実際に30-2で計測された結果はこのように計算されます。

この場合、「+2dB」の測定点が7番目によい点になります。

この点は、年代別正常値より 2dB 感度が良いので、パターン偏差では全体的に 2dB 感度が下がります。

2点ほど0dB になっていない点(赤○)がありますがバグではありません。

計算は行われていますが、表示するときに小数点以下を四捨五入しているためです。

これは正確な正常値が流出しないように取っている策です。

PSDの計算方法

たまに教科書でパターン偏差を平均した値と書いてあるのを見かけます。

しかし、実際の算出式はこれです。

難しい記号ばかりですが、簡単に要約すると、ちょっとだけ正常値の分散で補正して平均しています。

パターン偏差とPSDの注意点

パターン偏差は万能ではありません。

このような表記を見たことないですか?

視野異常がある一定以上進むと表示できなくなってしまいます。

理由は、末期の視野異常では全体的に大きく感度が低下しているので、パターン偏差で表現すると正常範囲になってしまうのです。

イメージで例えるとこんな感じです

計算上 MD-15dBから-20dB くらいでPSDが最大になり、以降は逆に良くなってしまうと言われています。

これが最初に投げかけた2つ目の「何でだいぶ視野異常が進行しているのにパターン偏差に確率シンボルマークがつかないの?」の答えになります。

実際に見てみましょう。

ホントですね。

MD-15dB から -20dB のところにピークがあり、それ以降はまた良くなっています

なのである一定の視野異常(約MD-20dB)くらいからパターン偏差が表示できなくなるのです。

さいごに

今回はハンフリー視野計のパター偏差とPSDの計算方法についてお話ししました。

こういった基礎が分かると、視野の解釈もだいぶ上達します。

また、こういった計算方法は他の分野でも応用ができたりします。

ご参考にして頂けたら幸いです。

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