視能訓練士ORTが研究者の仲間入りする方法

こんにちは、ひらちゃんPhDです。

 KazukunORTPhD hirachan_ort_phd 留学先ハリファックスのブログ

視能訓練士と言ったら斜視弱視でしょ?

と思っている方は少し考えが古いかもしれません。

海外では視能訓練士は斜視弱視・ロービジョンしかやりません。

過去の記事でも書きましたが、日本の視能訓練士は海外でいう Optometrist に相当します。

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日本の視能訓練士は眼科に関する知識が幅広いので、外来で検査だけをやっていては勿体ないのです。

海外の Optometrist 同様にどんどん研究の分野に参入すべきなんです。

今回の記事では、視能訓練士ORTが研究者の仲間入りする方法を提案します。

それでは少し深堀していきましょう。

ORTが研究へ介入する方法

難易度が低い順に言うと、

① データ計測およびデータ入力の手伝い

② ①に加えデータの統計解析

③ 自分が主任研究者(PI)となりマネージメント

ひらちゃんも最初は研究しているドクターにお願いされて①のデータ計測からスタートしました。

でも実際①のデータ計測ができないからには③のPIにもなれませんので、①ってすっごく大事なんです。

皆さん統計解析とか嫌いだと思うのですが、眼科で使う統計解析は限られているのでそんなに心配することはありません。

国家試験より簡単ですので勉強すればすぐにできます。

今はweb上に有力な情報がバンバン載ってますのでwebで勉強するのもありです。

最初は研究している先生のお手伝いをするのが一番良いと思います

先生もORTから声をかけてもらったら物凄く助かると思うので、積極的に話しかけて下さい。

共同研究者の資格

いきなり学会発表とか論文書くのなんて無理だよ。と思っている方もいると思います。

それだけが研究じゃないんです。

研究はチームプレイですから、先陣を切っているボスの補助だって立派な研究者なのです

英文雑誌の Ophthalmology には共同研究者としての基準が書かれています。

以下抜粋です。

共同研究者の基準

1. Substantial contributions to conception and design of the work; or the acquisition, analysis, or interpretation of data for the work; AND

2. Drafting the work or revising it critically for important intellectual content; AND

3. Final approval of the version to be published; AND

4. Agreement to be accountable for all aspects of the work in ensuring that questions related to the accuracy or integrity of any part of the work are appropriately investigated and resolved.

この基準は International Committee of Medical Journal Editors (ICMJE) という組織が定めた共同研究者になるための基準です。

1から4の基準をすべて該当しないといけないので無理じゃない?と思っていませんか?

意外にORTは全部該当しちゃいます(しちゃっています)

順に説明していくと、

1は研究デザインの考案に貢献していること、またはデータ計測・解析・データの解釈をしていることです。

1に関してはORTの得意分野ですね。検査が仕事ですからばっちり該当しますね

2は研究をより良くするために論文などを書いたり修正したりすることです。

一緒にやっている Dr や ORT が論文などを書いているときに知識の提供をすれば該当します。

以前にもお話ししましたが、日本のORTの知識と技術は凄いのでバンバン知識の提供をしましょう。

3に関しては主任研究者の方が出来上がった論文を投稿するね!っといった問いかけに宜しくお願いします。というだけで該当します

4に関しては、研究で明らかにしようとしていた事がちゃんと行われて解明できたという事に責任をもつことに同意することです。

ちゃんと目的持ってやっている研究で、つORTがデータ計測していれば信頼性も高いですし該当しますね

どうでしょうか?データを計測して一緒に考察を考えていればあなたも立派な共同研究者なんです。

一人で研究をやるのではなく、研究をしている Dr や ORT と一緒に日々の仕事を全うするだけで立派な研究者にもなっているのです。

日々心掛けること

検査はどんな時も全力で

研究って大きく分けると2種類あります。

① 前向き研究 Prospective study

② 後ろ向き研究 Retrospective study

前向き研究とは、採用基準と除外基準を定めて未来に向けてデータを計測していく研究です。

後ろ向き研究とは、採用基準と除外基準を定め、過去のある期間に該当するデータを抽出して解析する研究です。

エビデンス(根拠)レベルは1の前向き研究の方が高いのです。

しかし、2の後ろ向き研究の方が人件費や経費が抑えられることに加え、比較的簡単に取り組めるのでよく行われています。

この後ろ向きに研究に大事なのが、ORTの皆さんが計測した神がかったデータです

えっ何で!?と思うかもしれませんが、本当に大事なんです。

何故かというと、前向き研究の場合、該当することが分かっているのでより正確に計測します。

しかし、後ろ向き研究の場合、過去のデータを使うので、あまり上手に撮れていないデータは除外されてしまいます。

日々の臨床では全計測に対して全力で取り組んでください。

 

視力は最高視力まで

昔の方の考えでは、1.2以上は過矯正だとか、1.2以上は必要ないとか、良く分からない事を言われました。

視力検査を1.2で終了している方は、今すぐ最高視力まで計測しましょう

何故かというと、眼科研究において視力は解析データとしてすごく使われるからです。

たとえば、矯正視力が1.0という患者さんに対し、ある薬を注射する前と後の視力を比較するとします。

ORT Aさんはいつも視力を1.2までしか測らない方で、注射後の視力は1.2でした。

ORT Bさんは常に最高視力を測る方で、注射後の視力は2.0だったとします。

Aさんの場合はもちろん改善しているのですがLogMARに換算すると1段階だけしか改善していません

Bさんの場合はLogMARにすると3段階も改善しています

こういった症例が増えれば増えるほど統計解析が曖昧なものになってしまうのです。

いつ後ろ向き研究でデータを使うか分からないので、日々の視力検査では最高視力を出すことを心がけて下さい。

 

常に疑問を持ちながら仕事する

働き始めたころは色んな事に疑問を持っていたと思います。

経験と知識がつくにつれて日々の作業が流れ作業になっていませんか?

常に何かに疑問を持っている事って大事なんです

研究のテーマって日々の疑問から思い浮かびます

例えば、なんで子供の近視ってこんなに早く進むのかな?って思いませんか?

その疑問がもうすでに研究の始まりなんです。

学会に参加したら、その分野を研究している方々が近視の進行について発表しているので、それを聞けばまた次のアイデアにつながります。

何でオルソケラトロジーやコンタクトで矯正している子供って近視の進行速度遅いのかな?

みたいに、どんどん次に繋がっていきます。

疑問を持たずに日々の仕事を流れ作業のようにしている方はこういった発想には繋がらないでしょう。

さいごに

ひらちゃんは緑内障、特に視野とOCTを研究しているのですが、働き始めた当初は視野検査が一番嫌いでした。

なぜなら暗闇で検査するので眠くなるからです。

また、ほやほやの1年目の頃は視力と視野しかやらせてもらえずうんざりしていたくらいです。

しかし、この視野検査結果の指標って何を意味するのかな?何で固視が良いのに盲点に反応があるのかな?

みたいな疑問を誰も教えくれる人がいなかったので、自分で調べていくうちに大学院に行き、研究者になって、ロンドンに行き、カナダに行っていました。

出会いなんてそんなもんなんです。

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