イギリスと日本の病院の仕組みや仕事の違いのまとめ!日本の医療は凄いというか過剰じゃないか?

  • 2019年5月4日
  • 2023年1月16日
  • 研究
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留学が終わり日本に帰ると視能訓練士や眼科の先生と飲みながら留学話をする機会が増えます。

視能訓練士や眼科の先生から聞かれる内容の中で一番多かったものはイギリスと日本での仕事の違いです。

自分なりに感じたことが多く病院全体編と視能訓練士編に分けてお話ししたいと思います。

今回は仕事の全体図編です。

因みに、視能訓練士の仕事の違い編はこちらになります。

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個人的な感想ですがイギリスの医療費は全額国負担なのは良いところだと思います。

日本の医療は一パリ凄いなと感じる反面そこまで身を削って尽くす必要はあるのかなといった感じです。

イギリスと日本の病院の仕組みや仕事の違い

やっている医療行為自体には大きな差はありません。

ただ病院の仕組みや日本で同じ職種の人でもやることに違いがあります。

また仕事に対する熱意というか義務感というかホスピタリティも違ったりします。

医療全体の構図

本では内科・外科・耳鼻科・眼科など各科に分かれたクリニックが中にありますよね?

イギリスにも同じようにクリニックが街中にあるのですが、基本的にはGeneral Practice(GP)ばかりです。

GPとは簡単に言うと全科を診る総合クリニックです

日本の場合は自分の症状に合わせてどの科のクリニックを受診するか決めると思います。

勿論イギリスにも1つの診療科に特化したクリニックもあります。

しかし、圧倒的にGPが多く専門性はあまりありません。

GPの医者が診て、この症状は手に負えないなと感じたら大病院に紹介状 (referral letter) を書きます。

この紹介状があって初めて大病院を受診できるようになります。

大病院で治療をする必要がなくなった患者は直ぐにGPに戻されます。

大体は日本と流れは似ているのですが大きな違いはこの2つ

医療全体の構図の違い

1.悪くならないと専門の先生に診てもらえない

2.大病院→GPへの逆紹介システムが徹底的

日本のように紹介状が無くても5,000円の手数料を払えば大学病院で診てもらえるシステムは存在しません。

僕のいた Moorfields Eye Hospital はロンドンで一番の眼科の大病院で各地から患者さんがきます。

しかし、全員予約管理されていて予約外で診て欲しいという患者は救急外来に回されます。

ここは本当に緊急性のある患者が優先で、緊急性のない患者は後回しにされます。

とてつもなく待たされます。

急いでるとか騒いでも例外なく無視です。予約は予約。順番は順番。

といった感じで管理されています。

日本もこれくらい徹底しても良い気がしますね。

医療費

日本と全く違う点としては、通常の医療行為の範囲内であれば医療費は全額国負担(無料)という点です。

手術や薬も通常の範囲内のものであれば無料です。

全員が無料というわけではなく、イギリスの医療制度であるNational Health Service (NHS) のお金を納めている人が無料となります。

日本でいう国民健康保険です。

日本は年齢にもよりますが7割が国負担、3割が患者負担ですよね。

最初は国民に優しいシステムだなと思いましたが、国が全額負担しているので限度があるんです。

そのため日本のように患者が望めばなんでもやることは一切しません。

なぜなら無駄な医療費を使えば必要な人に医療費が回らなくなるからです。

心配なので直ぐに診て欲しいとお願いしても医者が必要ないと判断したらさようならといった感じです。

国が全額負担すると医者が余計な検査をして荒稼ぎをしようということもないので医療自体はクリーンです。

ただ患者が多かろうが少なかろうが収益が変わるわけではないので皆さんの働く意欲はだいぶ低いです。

また手術等が必要となっても限られた範囲内で医療が行われているので緊急でない限りだいぶ先になります。

プライベートクリニック

これはNHSとは無関係なので完全に自費です。

日本の各科の専門的なクリニックの自費バージョンですね。

プライベートクリニックでは予約待ちなどがないので、待つことなく手術を受けれます。

またNHSではカバーされていない最先端の医療行為なども受けられます。

それに何と言ってもその科の専門的な先生が診るので質が高くなります。

費用はクリニックによって違いますがお金持ちか個人で医療保険に入っている人しか受診できないレベルです。

とあるプライベートの眼科クリニックでは白内障の手術が片眼30万でした。

日本ですと、1割負担の方が20,000円くらい、3割負担の方が60,000円くらいですから高いですね。

専門的な先生にしっかり診てもらいたければ大金を支払わないといけないイギリス。

保険診療内で直ぐに診てもらえる日本。

こう考えると日本の医療は過剰な感じはありますが大変恵まれていますよね。

病院の混雑具合

日本も病院って結構混んでますよね。

でも日本の良いところは(本当に良いのか?)、予約をしなくても待てばその日に診てもらえます。

イギリスは違うんです。

どんだけ具合が悪くてもGPの予約が取れないと診てもらえません。

何でも予約制なんです。

どんだけ重症でも予約の日まで診てもらえません。

だからイギリス人の皆さん病気にならないように努力しています。

僕は運よくイギリス滞在中一度も GP のお世話になりませんでしたが、GP自体は実はそんなに混んでいません

GPの予約が先まで埋まっていて取れないだけのです…。

勤務時間

僕のいた Moorfields Eye Hospital では眼科の先生は外来業務もしますが基本手術がメインといった感じでした。

勤務時間は日によって長くなることもありました。

特に手術の日ですね。

ただ日本みたいに若い先生が過労状態で上の先生が楽をしているといった縦社会はあまり見かけませんでした(上司によります)。

日本は医者が患者を見捨てるのか?とか決まり文句のような悪い風習があります。

そのため医者には暗黙の圧力がかかっています。

しかし医者も人間ですから勤務時間が終われば家族との時間を大切にします。

イギリスでは患者のわがままには付き合いません。

その辺はとても徹底しています。

日本も国民一人一人が病気にならないように努力するといった強い投げかけが必要だと思います。

また簡単に病院を受診するのではなく自分で治せるものは自分で治す努力をしないといけないと思います。

また諦めるべきものは諦めなくてはいけないとも思いました。

眼科スタッフの違い(分業)

日本の眼科は主に

  • 眼科医 Ophthalmologist 
  • 視能訓練士 Orthoptist
  • 技術補佐員 Technician 

から成り立っています。

イギリスも基本的には同じ構図です。

しかしイギリス含め欧米では日本にはいない Optometrist と言う方々が主な診療、治療、検査を支えています。

これは日本で例えると、眼科医に似ていますがが、眼科医と視能訓練士の間の位置付けです。

彼らは日々の検査業務に加え、眼科医が行う診察、治療、薬処方まで行えます。

ただ Optometrist にはクリニックを開業することが許されています手術が行えないという制限があります。

そのためイギリスの眼科業務は以下脳様に分業されています

  • 医者 → 手術メイン
  • オプトメトリスト → 外来
  • 視能訓練士 → 斜視弱視・ロービジョン
  • テクニシャン → 検査一般

オプトメトリストの存在により各職種の負担が減り専門性が強まるのは良いことですね。

外来患者の数

僕がいた Moorfields Eye Hospital は眼科の大学病院です。

かなり大きな設計になっているので患者さんも迷子になります。

毎日のように患者さんに道を聞かれエントランスのこの地図を使って説明しました。

僕は火曜午前 Clinic 2 の緑内障外来にいました。

医療行為はできないので自分の研究の患者さんのリクルートのためです。

緑内障外来は午前の患者予約数は40-50人くらい、多い時で70人くらいです。

日本に比べたら圧倒的に少ないですよね。

これは国が医療費を全額負担するので予算が限られているためです。

要はこれ以上診ると予算オーバーになってしまうからです。

これだけゆとりがあると皆さん時間に追われることなくのびのびやっていました。

自分達の時間をしっかり確保する海外の文化は見習うべきだなと思いました。

医療への意識の違い

日本の医療費は7割は国が負担しているものの、病院の経営などは各病院に委ねられています。

そのため、病院を運営するために多くの患者を診察し、多くの医療行為を行い、収益を意識しなくてはいけません。

イギリスでは医療費は全額国に支えられています。

そのため収益を意識する必要もありませんし、むしろ医療費を削減しないといけません

医療費を削減するのは予算が限られているので少しでも多くの患者さんを診るためです。

過剰な医療が目立つ日本と最小限の医療で収めようとするイギリスでは、医療従事者も患者も意識が違います。

患者さんも医療費は皆で分け合っていることを認識しているので過剰な医療は要求しません(中には変わった人もいます)。

念のため少しでも多くの検査を希望する日本人とは真逆です。

国民性というか価値観の違いを実感しました。

さいごに

世界的に平均寿命が延びたためどの国でも医療費は重要な問題です。

イギリスもEU離脱で今色々大変ですが、NHSの予算も大きな問題の1つとなっています。

日本も高齢化社会が進み医療費は大きな問題の1つです。

ぜひこの記事を読んでいる皆さんも医療費を削減できるように

過剰な病院受診(まずは風邪で病院を受診しない、眼がかゆいだけで病院を受診しない)、

過剰な検査(心配だからと言って沢山検査してもらう)、

過剰な薬の処方(心配だから多く貰う、風邪は薬では治らないのに薬を貰う)

を避けるように心がけていきましょう。

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