眼科の仕事 イギリスと日本 違い【病院全体編】

こんにちは、ひらちゃんPhDです。

 KazukunORTPhD hirachan_ort_phd 留学先ハリファックスのブログ

2年間のイギリス留学が終わり日本に帰ってきました。

視能訓練士 (ORT) や眼科の先生と飲みながら留学話をする機会が増えました。

そこでORTや眼科の先生から聞かれる内容の中で一番多かったものが、イギリスと日本での仕事の違いです。

自分なりに感じたことが多く色々お話ししたいので、病院全体編と視能訓練士編に分けてお話ししたいと思います。

今回は仕事の全体図編です。

因みに、視能訓練士編はこちらになります。

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医療全体の構図

イギリスの医療は基本的に日本と似ています。

日本でも、内科、外科、耳鼻科、眼科などクリニックが街中にあるのと同じで、イギリスにもクリニックが街中にあります。

これらのクリニックはGeneral Practice(GP)と言われます。

日本の場合、各科で分かれていて自分の症状に合わせてどのクリニックを受診するか決めると思います。

勿論イギリスにも1つの診療科に特化したクリニックもあります。

しかし、圧倒的に総合内・外科といったGPが多く専門性はあまりありません。

一般市民は近所のGPに行って登録を済ませないといけません。

なぜなら、もし何かあった時、初めにGPに診てもらわないといけないからです。

GPの医者が診て、この症状は手に負えないなと感じたら大病院に紹介状 (referral letter) を書きます。

この紹介状があって初めて大病院を受診できるようになります。

大病院で治療をする必要がなくなった患者は直ぐにGPに戻されます。

このシステムは徹底しています。

日本のように紹介状が無くても5,000円の手数料を払えば大学病院で診てもらえるシステムは存在しません。

ひらちゃんのいた Moorfields Eye Hospital はロンドンで一番の眼科の大病院で各地から患者さんがきます。

しかし、全員予約管理されていて、それ以外で診て欲しいという患者は救急外来に回されます。

ここは本当に緊急性のある患者が優先で、緊急性のない患者は後回しにされ、とてつもなく待たされます。

急いでるんだとか騒いでも例外なく無視です。予約は予約。順番は順番。

といった感じで管理されています。

医療費

日本と全く違う点としては、通常の医療行為の範囲内であれば医療費は無料という点です。

また、手術や薬も通常の範囲内のものであれば無料です。

全員が無料というわけではなく、イギリスの医療制度であるNational Health Service (NHS) のお金を納めている人が無料となります。

日本でいう国民健康保険ですが払わないといけない義務ではありません。

因みに、年齢にもよりますが、日本は基本的に7割が国負担、3割が患者負担ですよね。

プライベートクリニック

これはNHSとは無関係なので完全に自費です。

プライベートクリニックでは予約待ちなどがないので、待つことなく手術を受けれます。

またNHSではカバーされていない最先端の医療行為なども受けられます。

費用はクリニックによって違うと思いますが、お金持ちしか受診できないかと思います。

とあるプライベートの眼科クリニックでは白内障の手術が片眼30万でした。

日本ですと、1割負担の方が20,000円くらい、3割負担の方が60,000円くらいですから高いですね。

病院の混雑具合

日本も病院って結構混んでますよね。

でも日本の良いところは(本当に良いのか?)、予約をしなくても待てばその日にだいたい診てもらえます。

イギリスは違うんです。

どんだけ具合が悪くても、GPの予約が取れないと診てもらえません。

何でも予約制なんです。

どんだけ重症でも予約の日まで診てもらえません。

だからイギリス人の皆さん病気にならないように努力しています。

ひらちゃんは2年間で一度も GP のお世話になりませんでしたが、GP自体は混んでいません

GPの予約が先まで埋まっていて取れないだけのです…。

勤務時間

ひらちゃんのいた Moorfields Eye Hospital では眼科の先生は外来業務もしますが、手術がメインといった感じでした。

勤務時間は日によって長くなることもありました。

特に手術の日ですね。

ただ日本みたいに若い先生が過労状態で上の先生が楽をしているといった縦社会はあまり見かけませんでした。

日本は医者が患者を見捨てるのか?とか決まり文句のような悪い風習があり、医者には暗黙の圧力がかかっています。

しかし、イギリスは医者も皆と同じ人間ですから、勤務時間が終われば家族との時間を大切にします。

患者のわがままには付き合いません。

その辺はとても徹底しています。

お互いを尊重する文化って大切ですよね。

日本も医師の残業時間は1,500時間までとか非人道的な法案に改正するのではなく、国民一人一人も病気にならないように努力する

また、むやみに病院を受診するのではなく、自分で治せるものは自分で治す努力をしないといけないと思います。

また諦めるべきものは諦めなくてはいけないとも思いました。

眼科スタッフの違い

日本の眼科は主に

  • 眼科医 Ophthalmologist 
  • 看護師 Nurse
  • 視能訓練士 Orthoptist
  • 技術補佐員 Technician 

から成り立っています。

イギリスも基本的には同じ構図です。

しかし、イギリス含め欧米では日本にはいない Optometrist と言う方々が主な診療、治療、検査を支えています。

これは日本で例えると、眼科医に似ていますがが、眼科医と視能訓練士の間の位置付けです。

彼らは日々の検査業務に加え、眼科医が行う診察、治療、薬処方まで行えます。

ただ Optometrist には手術が行えないという制限があります。

Optometrist はクリニックを開業することが許されています。

外来患者の数

ひらちゃんがいた Moorfields Eye Hospital は眼科の大学病院みたいな感じです。

かなり大きな設計になっているので、患者さんも迷子になり、毎日のように患者さんに道を聞かれ、エントランスのこの地図を使って説明しました。

ひらちゃんは火曜午前 Clinic 2 の緑内障外来にいました。

医療行為はできないのですが、自分の研究の患者さんのリクルートのためです。

午前の患者予約数は40-50人くらい、多い時で70人くらいです。

日本に比べたら圧倒的に少ないですよね。

自分がリクルートする患者がいない時は技術補佐員 Technician のお手伝いをしていました。

皆さん時間に追われることなくのびのびやっていました。

自分達の時間をしっかり確保する海外の文化は見習うべきだなと思いました。

医療への意識の違い

日本の医療費は7割は国が負担しているものの、病院の経営などは各病院に委ねられています。

そのため、病院を運営するために多くの患者を診察し、多くの医療行為を行い、収益を意識しなくてはいけません。

イギリスでは医療費は全額国に支えられているため、収益を意識する必要もありませんし、むしろ医療費を削減しないといけません。

そのため、過剰な医療が目立つ日本と最小限の医療で収めようとするイギリスでは、医療従事者も患者も意識が違います。

国民性というか価値観の違いを実感しました。

さいごに

世界的に平均寿命が延びたため、どの国でも医療費は重要な問題です。

イギリスもEU離脱で今色々大変ですが、NHSの予算も大きな問題の1つとなっています。

日本も高齢化社会が進み医療費は大きな問題の1つです。

ぜひこの記事を読んでいる皆さんも医療費を削減できるように

過剰な病院受診(まずは風邪で病院を受診しない、眼がかゆいだけで病院を受診しない)、

過剰な検査(心配だからと言って沢山検査してもらう)、

過剰な薬の処方(心配だから多く貰う、風邪は薬では治らないのに薬を貰う)

を避けるように心がけていきましょう。

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