ベーチェット病ってどんな症状?ベーチェット病になり20年以上経つ視能訓練士が語る症状の変化

  • 2019年5月2日
  • 2023年1月14日
  • その他
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ベーチェット病って聞いたことありますか?

ちょっと稀な病気なので一生のうちで皆さんの周りに1人いるかいないかくらいです。

知っている人は知っているけど殆どの方は知らないと思います。

僕は15歳の時に発症して最初の5-6年は眼科に毎週のように通っていたのでそれを機に視能訓練士になろうと思いました。

今日はこのベーチェット病てどんな症状なのかお話しして、20年以上経った症状はどんな感じなのかご紹介したいと思います。

僕は幸いにも今見えていますが、20年くらい前は周りに失明した方も沢山いました。

ベーチェット病の症状とは?

失明したと聞いて目の病期かと思ったかもしれませんが正確には全身病です。

一般的に教科書ではこういった症状が書かれています。

ベーチェット病4主徴

① ぶどう膜炎(眼底や前眼部の炎症)

② 口腔内アフター(口内炎)

③ 結節性紅斑(有痛性の大きなニキビ)

④ 外陰部潰瘍(陰部にできる潰瘍)

視能訓練士国家試験や医師国家にもでる有名な難病の1つです

4つ揃うと完全型、揃わないタイプは不完全型と言われます。

他にも腸管に症状がでたりするタイプ、関節炎を伴うタイプなど、副症状は沢山あります。

幸いにも不完全型で、④の陰部潰瘍は未だに出たことはありません。

しかし、それ以外は今でもでます。

ベーチェット病の原因は?

原因はわかっておらず、根治させる治療法もありません

ただ、心配しないで下さい。症状を出にくくする薬はあります

我々の体は外界から体内にウィルスなどが入ってくると悪いものだけに対して免疫機能が働き退治します。

風邪なんかはウィルスによるものなのでその代表例ですね。

しかしベーチェット病の方の体内では、正常な組織である血管などにも攻撃が行われてしまいます

その結果炎症や出血がおきてしまいます。

そのため、免疫抑制剤を飲んで症状が出ないように抑えます。

僕が発症した数年くらい前からいくつか免疫抑制剤が積極的に導入されました。

その結果、今では昔ほど失明したり重症化する方々は減りました。

また生物学的製剤も開発されてさらに重症化する方が減ってきました。

しかし、今でも日本には約1万人の方がベーチェット病とともに生きています。

ベーチェット病発症時の症状

発症した時は15歳の中学3年生の時でした。

朝起きた時に視界の中心だけがモヤモヤしていて、何か変だったのを今でも覚えています。

僕は勉強とは無縁のバリバリの野球人だったのですが、ちょうどボールだけが全く見え無くなってしまいました。

今思うとその時から尋常じゃないくらい口内炎があったのを覚えています。

また、ニキビみたいなものも首筋や太ももの内側にたくさん出来始めたのを覚えています。

その時は中学生で成長期ということもあり家族もそこまで心配していませんでした。

日に日に見えなくなり視力検査しても2,3m近づいてもらわないと何も見えないくらいまで悪くなりました。

今思うと近視も遠視もない眼だったので検査した方は「あ~そういった歳頃だから仕方ないよね」と思ったに違いないと思います。

ただ演技となしに本当に見えなくなりました。

ベーチェット病の症状は年々変わる

発症当初は、ぶどう膜炎、口腔内アフタ、結節性紅斑がかなりの高頻度ででいました。

中でもぶどう膜炎が月に1回は出ていました。

高校に入学してからも学校が終わってから殆ど病院通っていました。

なぜかということ、眼底で起こった炎症に対しては早急に治療をしないと後々致命的な後遺症が残り視機能が元に戻らなくなるからです。

治療はテノン嚢下と言って白眼の所の層にステロイドを注射して炎症を引かせます。

我々患者の中では「眼注」って呼んでいました。

だいたい1,2週間隔日で通って眼注すると殆ど元に戻ります。

100あった機能が発作により60くらいまで低下して、眼注によって99に戻るといった感じです。

これを繰り返すのでだんだんと視機能が落ちていくのです。

こんな終わりの見えない人生に対し何度も嫌になりました。

しかし不思議と発症してから15年くらい経ったら眼の症状は殆ど出なくなりました。

今では1年に2,3回軽い炎症が出るくらいで点眼するだけで炎症が引くようになりました。

僕は発症当初、東京女子医大のぶどう膜炎を専門としている教授に診ていただいておりました(今は退官されています)。

コンサルテーションの時のお言葉

・15歳でベーチェット病を発症するのは珍しい。

・若年者は回復も早いけど、悪化するスピードも早く、失明する可能性が大人より高い。

・この病気は10~15年くらいすると枯れてきて症状は軽くなる。

・予想できない未来かもしれないけど、辛い眼注も頑張って乗り切ってね。

と何度も励ましてくれたのを今でも忘れず覚えています。

教授の仰っていた通り、発症して20年以上経った今では薬を飲み続けていれば殆ど症状もでないようになりました。

普通の人に比べたらだいぶ不自由ですが40歳超えた今でも社会人として働く事が出来ています。

20年以上経った最近の症状は?

一番出るのは、口腔内アフタと結節性紅斑です。

ごくごくたまに眼の炎症が出るくらいですが、自分でも意識しないとわからない軽いレベルです。

ただこれも膠原病内科の先生の指示の下で薬の量で調節できました。

数年前からジムに通ってトレーニングを始め体重が20kg増えたので免疫抑制剤の量が足らなかったみたいです。

薬の量を増やしてからは口腔内アフタと結節性紅斑はだいぶ減りました。

以下に最近の症状についてお話しします。

口腔内アフタ

昔は基本的に唇にしか出ませんでした。

最近では歯茎の根部、舌の先端部、側部、根部、最近では喉の近くにも出るようになり、発生部位が変わってきました。

舌とか喉にできると食事が楽しめないのが辛いです。

だいたい3,4日で痛みは和らいで楽にはなります。

食べ物や飲み物を飲み込むのに気合いを入れないといけないのが辛いです。

口内炎にはケナログとアフタッチが効くので僕はこの2つを愛用しています。

ケナログ(左)は軟膏になっていて、アフタッチ(右)は錠剤になっています。

患部によって使い分けています。

唇や舌にはアフタッチの方が使いやすく、歯茎の根部にはケナログがフィットします。

使い方はどちらも同じで、患部をティッシュやタオルで拭いて乾燥させ、その後塗ったり貼ったりします。

これらの薬により治りが少しだけ早くなります。

それよりも幹部が覆われるので痛みが少し軽減するのが助かります。

結節性紅斑

昔は顔や首回りに出ることが多かったのです。

今は主に下半身に集中するようになりました。

ふきらはぎや太もも内側にできるとズボンで擦れて痛いんですよね。

お尻にもできるのですができると座る度に激痛です。

そしてここ数年なのですが肛門の入り口にもできるんです。

最初は痔になったのかと思いました。

しかし一時的な症状であるのと、どうも口内炎の症状がでる時に一緒にできるので痔ではないと思いました。

汚い話ですが、排泄後のトイレットペーパーほどいたいものはありません…。

海外にはウォシュレットはないので、海外滞在中は大変でした。

一応パナソニックの携帯用ウォシュレットを買って持って行ってはいたのですが、中々威力を発揮してくれなかったです。

また鼻の入り口部分にも結節性紅斑できるようになりました。

鼻かむ時や鼻をほじる時に刺激で涙が出てきます…。

ぶどう膜炎

昔はよく眼底出血を伴う発作を起こしていました。

今は前眼部と言って眼の前の方で軽く炎症が出るくらいです。

前眼部の炎症はステロイドの点眼薬で治るので、以前のように通院して眼注することは無くなりました。

症状も言われてみれば少し霞むかなといった見え方です。

昔みたいに2,3m先しか見えないような感じではありません。

関節炎を伴う熱

この症状は昔は全くありませんでしたが、ここ30歳半ばくらいで出るようになりました。

最初はずっと風邪をひいたと思っていましたが、よくよく自分の症状を解析をしてみると違いました。

皆さんも風邪をひいた場合、だいたい出る症状って一緒ですし、治る期間も分かると思います。

僕の場合、風邪引くと喉が腫れて頭痛と倦怠感かあります

歳をとったせいか、1週間くらい引きずります。

ベーチェット病による症状の場合は38度くらいの熱と関節炎で、2,3日ロキソニンを飲んでいるとスパッと治ります。

それとだいたいセットで口内炎と結節性紅斑がでるので違いが分かるようになりました。

ベーチェット病の症状が出やすい時

長年ベーチェット病と付き合っていると「あっ、くるな」というときが分かります。

僕の場合は以下のような時です。

1. 気圧と気温の変動

季節の変わり目と、台風がやって来る時期は結構症状が出やすいです。

昔はよく症状が出る時を記録していたのですが秋から冬にかけては良く症状が出ていました

当時は統計解析の術を身につけていなかったので詳しい解析はできませんでした。

その記録した紙を処分してしまったのが悔やまれます。

自己免疫疾患ですので、気温の変化が大きく体に負担がかかるときは自己免疫機能も崩れるんですかね。

2. ストレス過多

海外にいた時は、英語が上手く伝わらないストレスはありました。

その一方で仕事量は日本とくらべ大分減ったのでストレスフリーな生活をしていました。

そのためか海外にいた時は全然症状が出ませんでした。

日本の様に気圧の変動とかもあまりなかったからかもしれません。

一度楽をしてから以前のシビアな環境に戻ると、ストレスで症状で安くなるんですかね。

3. 食事の変化

基本的にいつも似たようなものをたくさん食べています。

お酒やたばこも普段は一切にしません。

外食が続いて食事内容ががらっと変わったり、お酒をたくさん飲んだ数日後に症状が出やすい印象です。

結構敏感に反応するようになりました。

さいごに

今回は、ベーチェット病について発症初期から20年以上経った今の症状をまとめてみました。

20年以上前に発症した活動型のベーチェット病患者の中で僕は比較的視機能を維持できた症例だと思います。

今こうやって生きていられるのも、毎回時間外に特別に診てくださった女子医大の眼科の先生方のおかげです。

医師、視能訓練士、看護師、事務の皆様、ありがとうございました。

皆さん元気かなぁ。会ってお礼が言いたいです。

この病気になり昔は精神的にも苦しめられましたが、自分が眼に興味を持ったのは自分がこの病気になったからでもあります。

世の中には薬が効かずに悪化し続ける方も多々いると思います。

一概に良い未来が待っているとは言い切れません。

しかし少なくとも僕はチャンスを頂いたと思い最期まで全うしたいと思います。

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